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よくあるシェアハウスのトラブル事例と対象法

シェアハウスは手頃な家賃で住みやすい環境を得られたり、シアタールームやジム、ライブラリー、コワーキングスペースなど従来の賃貸物件には無い設備を備えていたりと、様々な魅力のある住居形態です。一方で、複数の人がキッチンをはじめとする水回りやリビングなど一つの空間を共有することから、ひとり暮らしでは起こり得ないトラブルが発生する可能性もあります。特に都市部で人気が高まっているシェアハウスでは、入居者の年齢層や国籍も多種多様で、「えっ、そんなことが起こるの?」といったトラブルに遭遇することもあります。ここでは、よくあるシェアハウスのトラブル事例とその対処法について紹介します。

お金に関するトラブル

シェアハウスでのお金に関するトラブルは比較的多いものの一つです。シェアハウスでお金のトラブルと言うと、多くの人が家賃や水道光熱費を払う側の入居者(借主)と受け取る側の事業者(貸主)の間で起こるトラブルをイメージするかもしれません。しかし、日本のシェアハウスにおいては、そうしたトラブルはほとんどありません。というのも、シェアハウス物件はシェアハウスを専門分野している事業者や不動産事業者によって運営・管理をされていることが多く、入居時には家賃や共益費を明確に定めた契約書を締結します。入居後はその契約内容に従って必要な家賃と共益費の支払いが行われていればトラブルに発展することはありませんし、不明点があれば物件の管理担当者に相談をすることで解決できます。裏を返せば、入居時に契約書などが用意されていないような事業者が運営するシェアハウスには気をつける必要があります。

では、シェアハウスの中で起こりやすいお金のトラブルはどんなものなのでしょうか?それは「入居者どうし」でのトラブルです。特に多いのは、入居者間でのお金の貸し借りです。貸したお金を返してもらえない、立て替えたお金を払ってもらえないなどが主なものです。例えば、一緒に食事に行ったときに「財布を忘れたからお金を貸してほしい」と言われたので食事代を貸してあげたが、知らないうちに退去してしまって返してもらえなかったなどがあります。他にも、頼まれたので代引きの宅配を受け取ってあげたが商品代金をもらえなかった、一緒に遊びに行ったときの割り勘分を払ってもらえないなどなど、同じ物件に住んでいる入居者どうしの距離が近いからこそ起こる内容が見受けられます。一番対策は、入居者どうしではお金の貸し借りをせず、全てをその場で解決することです。例えば割り勘なら事前に予算を決めて集金をしておき、余った分を返金するという仕組みにすることで、貰いそびれを防ぐことができます。どうしても貸し借りになるようであれば、メールやLINEなどの簡易的なものでもいいので、いつ誰が誰にいくら貸したのかといった具体的な記録や、いつまでに返金するのかなどの約束を明確に残しておくと良いでしょう。



男女関係のトラブル

シェアハウスには男性専用・女性専用などの物件も一部ありますが、数では性別に関係なく入居できる物件のほうが多くなっています。するとどうしても起こりやすくなるのが男女の関係に関するトラブルです。シェアハウスでは実際に「同じ物件に住んでいたことがきっかけで交際し、結婚しました」という方も少なくありません。また、現在では家族で入居して子育てができるシェアハウスも登場しています。一方で、恋愛関係に関するトラブルが起こる可能性もはらんでおり、例えばもともとはとても仲良くしていたカップルが、「些細なことをきっかけに大喧嘩になってしまい、彼女のほうが退去してしまった」といった事例もあるくらいです。こうしたトラブルの当事者になるのはもちろん喜ばしいことではありませんが、こうしたトラブルが起こってしまったときに一番嫌な思いをするのが周りの入居者です。トラブルの当事者には当然気を遣いますし、折角楽しく会話をしていたのに場の空気が悪くなってしまったりと、くつろぎの時間が台無しになってしまいます。もちろん物件内で恋が生まれることはよいことですが、入居者どうし「いいおとな」ですから、周りを巻き込んでトラブルにするようなことは避けたいところです。

人間関係のトラブル

シェアハウスは一般的な賃貸住宅と比べて同じ物件に住む入居者どうしの距離感が近いため、友だちの輪が拡がったり、時には恋愛に発展することがある一方、どうしても人間関係のトラブルが起こりやすくなります。というのも、入居者の中には年齢層の低い人から比較的高めの人、男性・女性、日本人・外国人など、多様な人が入居しています。すると年齢によるジェネレーションギャップはもちろん、男女での考え方の違い、出身地による価値観の違いなど、とにかく様々な考え方や価値観の違いが日常的に顕在化するので、その度に当事者間での摺り合わせが必要になるのです。最初は多少面倒くさいと感じることもあるかもしれませんが、自分が知らなかった世界を知ることができる機会とポジティブに捉えることもできますし、極力トラブルを減らしたいということであれば、入居前にどんな人が住んでいるのかを運営事業者に聞いて参考にしたり、入居者数があまり多くないシェアハウスを選ぶなどの対策を取ることもできます。あなたが入居するシェアハウスに望む条件を明確にしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

文化の違いによるトラブル

特に外国人の入居者がいるシェアハウスで起こりやすいのが、文化の違いによるトラブルです。例えば、食事や清潔さ、宗教などに関する考え方の違いから摩擦が生じることがあります。これはトラブルというほど大きな事件ではありませんが、「ドミトリーに入居したら同室にイスラム教徒の入居者がいた。入居翌朝、不思議な音で目を覚ますと、ベッドの前でお祈りが始まっていた。」といったエピソードもあります。日本国内ですら食文化や方言など様々な違いがあるわけですから、国や地域によってその違いがあるのは当然です。もともとシェアハウスは一般的な賃貸物件に比べて入居者の多様性が豊かな物件形態ですから、そうした予備知識はもちろん、多様性に対して興味関心を持てる人や、寛容な人でないと生活そのものにストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。一番の対策は、自分自身がこうした多様性の中での生活をしたいかどうかをきちんと把握しておくことです。また、シェアハウスの物件ごとにもその特徴は大きく異なるので、入居前の内覧などで物件の状況をヒアリングしておくといったことも重要です

ハラスメント・犯罪系のトラブル

残念ながら、シェアハウスの中でハラスメントや犯罪系のトラブルが起こってしまうこともあります。しかしこれは一般的な賃貸でも同じで、特段シェアハウスだから起こりやすいということではありません。
具体的なケースを少し紹介しましょう。犯罪系で最も多いのは、やはり盗難です。共用部に置き忘れた私物が見当たらなくなってしまった、うっかり部屋の施錠を忘れてしまった際に貴重品が無くなってしまったといったことが具体例として挙げられます。これはシェアハウスに限った話ではないと思いますが、私物の管理や施錠といった基本的なセキュリティ対策はきちんと行うことが重要ですし、それだけでほとんどのトラブルは未然に防ぐことが可能です。
ハラスメント系のトラブルについては、先述した通り選別や年齢層、国籍など様々な方が居住していることに起因するものが多く、中でも常識の違いから本人にはその意識がない間にハラスメントになってしまっているということも起こりうる話です。こうした際は、「ハウスマネージャー」と呼ばれる物件管理の担当者に相談するとよいでしょう。もちろん当事者どうしで解決ができるならそれでも構わないのですが、特に文化が異なる人に自らの不快感などを理解してもらうことは決して簡単ではありませんし、その後も同じ物件に居住し続ける可能性を考えると、間に入ってくれる存在がいてくれる方が安心ではないでしょうか?個人的には、シェアハウスを選ぶ基準に「ハウスマネージャーがいること」は絶対必要な要素だと思っているので、ぜひ覚えておいてくださいね。

騒音に関するトラブル

共用しているため、隣室は「一軒家の中の別部屋」と同じような感覚で、一般的な賃貸物件に比べると防音対策は少々劣ると思っておいたほうが良いでしょう。特に夜間や深夜の騒音は問題になりやすく、スマホのアラーム音がずっと鳴っている、ゲーム音がうるさい、通話や会話の声が大きいなど、様々な音に関するトラブルが起こり得ます。騒音は隣人の睡眠や生活リズムに大きな影響を与えてしまうので、シェアハウスにおける共同生活の中では特に気をつけたいところです。こうしたトラブルを避ける一番の方法は、音が出ることをする場合は場所を変えることです、具体的には共用部、特にリビングが適しているでしょう。物件の中でもリビングは入居者同士のコミュニケーションが行われる前提で設置されており、専有部(居室)からは一定の距離が確保されていることが多くなっています。もちろん深夜帯に大声を出したり、大音量で音楽を聴いたりすれば物件全体に迷惑をかけることはもちろんですが、常識的な音量であれば他の入居者に迷惑をかけることは少ないでしょう。また物件によってはシアタールームのように防音対策がされている部屋を用意しているものもありますので、そういった設備を活用すれば、よりトラブルを少なくすることができるでしょう。

ルール・管理に関するトラブル

シェアハウスはリビングやキッチン、シャワーなどを共用設備として使用するため、それぞれに使用のルールが定められています。もちろんほとんどの人が決められたルールをきちんと守って暮らしているわけですが、ルールを守れない入居者がいるとそれが原因でトラブルが生じることもあります。例えば、キッチンで料理をした後の片付けがされていない、リビングなどの共用部に私物を置きっぱなしにしている、洗濯機や乾燥機に洗濯物を入れっぱなしにしてしまうなどが挙げられます。シェアハウスのルールは、そのほとんどが「入居者どうしが気持ちよく物件を使うため」に定められているものです。つまり、そこから逸脱してしまうと、あなた自身の居住性に悪影響を及ぼします。まずはあなた自身がハウスルールをきちんと守ることを心がけましょう。そして、ルールを守れていない入居者がいる場合は、あなたから直接注意をしたり、ルールを守ることを求めてもよいのですが、やはり物件の管理を担当している「ハウスマネージャー」を頼るのが最善でしょう。「ハウスマネージャー」の仕事は、より多くに人にシェアハウスでの快適な生活を送ってもらうことですから、トラブルやアクシデントがあった時には、まず相談をしてみることです。

シェアハウスでトラブルを避けるための対処法

ここまでシェアハウスにまつわる様々なトラブルを紹介してきましたが、やはり誰しもトラブルは起こる前に避けたいものだと思います。そこでここからはシェアハウスで起こり得るトラブルを未前に防ぐための対処法をいくつかご紹介したいと思います。


シェアハウスのルールを確認する

シェアハウスは物件形態としては比較的新しいものですが、それでも数十年の歴史があり、現在では専門の事業者もずいぶん多くなってきました。それぞれの事業者は日々にシェアハウス運営の中で様々な経験を培い、その経験を元により快適なシェアハウスを作るために事業者ごとや物件ごとにルールを設定しています。もちろん事業者ごとに特徴があり、あえてあまり明文化せず柔軟性をもたせる事業者もあれば、細かく明文化したルールを定めている事業者もあります。人それぞれに好みがあるでしょうから、一概にどちらのタイプが良いということはありませんが、やはり複数の人が共用部や共用物を伴う生活をするには最低限のルールが必要不可欠です。物件の内覧時など、入居前に事業者に「この物件のハウスルールを教えて下さい」とリクエストをすれば、必ず事前に説明をしてくれますので、自分にとってそのルールが快適に暮らせるか、トラブルを未然に防いでくれる内容になっているかは必ず確認しておきましょう。

運営会社や管理人に相談する

トラブルが発生した際はもちろんですが、未然にトラブルを防ぐ意味でもシェアハウスの運営事業者や物件の管理者(ハウスマネージャー)に相談することは有効です。特にハウスマネージャーは担当する物件を定期的に訪れることが多く、入居者の顔や名前を把握しています。ですから、例えばあなたが「ちょっと◯◯さんのことで相談が…」と切り出せば、「あぁ、◯号室のかたですよね?どうかされましたか?」といった感じであなたの相談に耳を傾けてくれることでしょう。一般的な賃貸物件だと、管理会社とはほとんどやり取りをすることはありませんが、シェアハウスは入居者どうしだけでなく、管理者とも距離が近いというのが大きな特徴です。この特徴をうまく活用することで、シェアハウスでのトラブルを減らすことができるでしょう。

引っ越しを視野に入れることも必要

人には誰しも向き不向きがあります。シェアハウスでの生活もそうで、いわゆる「共同生活」が苦手な人にはシェアハウスは向いていません。物件内でのルールなどをはじめ、おそらくあなた自身がシェアハウスでの生活を窮屈に感じてしまいますし、ルールを守れないことが起こってしまうとトラブルに発展し、ストレスも感じてしまうでしょう。住居というのは基本的に「毎日帰る場所」です。そんな場所がストレスを感じる場所では、気が休まる瞬間がありませんよね。良い悪いということではなく、あなたにとってより快適な住環境があるのであれば、迷わずその環境に引っ越すことも考えるべきなのです。


まとめ

今回はシェアハウスで起こり得るトラブルを、シェアハウスならではのものから、一般の賃貸でも起こるものまで幅広くご紹介しました。どれも適切な対処ができれば未然に防ぐことができるものばかりですので、決してシェアハウスという物件形態そのものを怖がる必要はありません。あなたがこれからシェアハウスへの入居を検討されるのであれば、この記事を参考にして、入居前にルールをはじめとしたポイントをきちんとチェックすることをおすすめします。そうすれば、きっと快適なシェアハウス生活を楽しむことができますよ。

監修者 : 谷口裕紀 (合同会社シェアリアル 代表社員)

シェアハウスの運営・管理、プロデュース、コンサルティングを本業にしながら、練馬区でシェアキッチンをハブに地域コミュニティの活性化にも挑戦中。
最近の生きがいは、釣りとクラフトビールと中日ドラゴンズ。

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